ジダノシン:ヴァイデックス
From:Internet Date:2010-08-19 14:05
ジダノシン:ヴァイデックス 成分
ジダノシンジダノシン:ヴァイデックス 区分
抗ウイルス剤/逆転写酵素阻害剤(ヌ系)/抗ウイルス化学療法剤ジダノシン:ヴァイデックス 効能
【錠】
後天性免疫不全症候群(エイズ)
治療前のCD4リンパ球数500/mm3以下の症候性HIV感染症
【ECカプセル】
HIV感染症
ジダノシン:ヴァイデックス 作用
【働き】
エイズは、エイズウイルスの感染により起こる病気です。エイズウイルスは血液や精液を介してうつります。そして、体に入ったエイズウイルスは、免疫系の細胞(白血球の一種のCD4リンパ球)を破壊しながら、徐々に増殖していきます。その結果、体の免疫力がしだいに低下し、数年から十数年後に発症します。
このお薬は、エイズウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。ウイルスの遺伝子の複製を妨げる作用があります。ウイルスが減ると、免疫力が回復し、病状が改善します。また、エイズの発症や進行を遅らせ、長生きにもつながります。ただし、エイズウイルスを完全に死滅させることは困難です。したがって、生涯にわたり治療を続ける必要があります。
※エイズ:後天性免疫不全症候群
※エイズウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
【薬理】
エイズウイルスの遺伝子RNAをDNAに逆転写する酵素の働きを阻害します。これにより遺伝子の複製ができなくなり、ウイルスの増殖が抑制されます。このような作用から「逆転写酵素阻害薬」と呼ばれています。
ジダノシン:ヴァイデックス 副作用
効果が高い反面、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。もっとも注意しなければならないのは“膵炎”です。初期症状として、強い吐き気や嘔吐、腹痛などに注意してください。予防のために、血清アミラーゼなどの頻回な検査が欠かせません。
手足のしびれや痛みを伴う“末梢神経障害”もかなりの頻度で生じます。多くはありませんが、重い副作用として乳酸アシドーシスや肝障害、目の障害、けいれん発作などにも注意が必要です。いつもと違う症状に気づいたら、すぐ医師に連絡してください。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
膵炎..上腹部〜背中の強い痛み、吐き気、吐く。
乳酸アシドーシス..息苦しい、息が荒い、手足の脱力、筋肉痛、だるい、動悸、吐き気、吐く、腹痛、下痢、急激な体重減少、歩けない、意識がうすれる。
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
ミオパシー..手足のしびれや痛み、力が入らない、筋肉のぴくつき、筋肉のふるえ。
網膜色素脱失・視神経炎..見えにくい、かすんで見える、見え方が変。
意識障害、けいれん..混乱・もうろう状態、異常行動、取り乱す、意識低下、筋肉のぴくつき、全身けいれん(ふるえ、白目、硬直)。
重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉出血など出血傾向。
【その他】
末梢神経障害..手足のしびれ、感覚が鈍い、灼熱感、ピリピリ痛む。
腹痛、下痢、吐き気、吐く、食欲不振、口が渇く
頭痛、めまい、けん怠感
不安感・イライラ感、気分が落ち込む
まぶしい、物が見にくい、視力異常
発疹、じん麻疹、かゆみ
尿酸値の上昇
高脂血症、リポジストロフィー(手足が痩せ、胸や肩・腹部が太る)
ジダノシン:ヴァイデックス 特徴
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬に分類されます。単剤での抗ウイルス作用は強力とはいえませんが、別の薬と併用することで効果が高まります。別名をddIと略称されます。
この薬に、もう一つの逆転写酵素阻害薬と、別系統のプロテアーゼ阻害薬を加えた多剤併用療法が行われています。ラミブジン(エピビル)またはエムトリシタビン(エムトリバ)との組み合わせが基本です。
ジダノシン:ヴァイデックス 用法
【錠】
通常成人は、ジダノシンとして1回125mgを1日2回、12時間ごと食間に経口服用する。ただし、2カ月間効果が認められない場合、体重50kg以上の成人では1回200mgまで1日2回に増量できる。通常小児(生後6カ月以上)は、ジダノシンとして下記の体表面積(体重)により、1日2回、12時間ごと食間に経口服用する。
体表面積(体重)1.1〜1.4m2(38〜50kg)の場合ジダノシン服用量(小児用量)。1回 100mg、1日 2回。
体表面積(体重)0.8〜1.0m2(24〜37kg)の場合ジダノシン服用量(小児用量)。1回 75mg、1日 2回。
体表面積(体重)0.5〜0.7m2(11〜23kg)の場合ジダノシン服用量(小児用量)。1回 50mg、1日 2回。
体表面積(体重)≦0.4m2(≦10kg)の場合ジダノシン服用量(小児用量)。1回 25mg、1日 2回。
服用に際し、胃酸による効力の低下を防止するために成人及び体表面積(体重)が0.5m2(11kg)以上の小児は、2錠を組み合わせ指定の用量とする。また、体表面積(体重)が0.4m2(10kg)以下の小児は1錠を服用する。なお、症状により適宜増減する。本剤はかみくだいて水で服用するか、又は用時、水に懸濁して服用する。
【ECカプセル】
通常成人には、ジダノシンとして以下の用量を1日1回食間に経口服用する。なお、症状により適宜増減する。
体重60kg以上:400mg
体重60kg未満:250mg
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
ジダノシン:ヴァイデックス 注意
【診察で】
持病やアレルギーのある人は医師に伝えてください。
妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は申し出てください。
別に薬を飲んでいる場合は、必ず医師に報告しておきましょう。
注意事項や副作用について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、同意のうえで使用するようにしましょう。
体に異常を感じたら、どのようなことでも医師に報告してください。
【注意する人】
膵炎のある人は使用できません。また、肝臓や腎臓の悪い人、末しょう神経障害のある人は慎重に用いる必要があります。
適さないケース..膵炎のある人。
注意が必要なケース..膵炎の既往のある人、末しょう神経障害、肝臓病、腎臓病、高齢の人など。
【飲み合わせ・食べ合わせ】
一部の医薬品と相互作用を起こす可能性があります。飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。
カリニ肺炎治療薬のペンタミジン(ベナンバックス)、抗結核薬のイソニアジド(イスコチン)、胃の薬のH2受容体拮抗薬、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)、痛風の薬のアロプリノール(ザイロリック)、抗ウイルス薬のガンシクロビル(デノシン)やリバビリン(レベトール)、テノホビルジソプロキシル(ビリアード)・・これらとの併用により、膵炎や神経の副作用が強まるおそれがあります。
錠剤は、テトラサイクリン系の抗生物質やキノロン系抗菌、あるいは他のエイズ治療薬のインジナビル(クリキシバン)やリトナビル(ノービア)、アタザナビル(レイアタッツ)との同時服用を避けます。いっしょに飲むと、それらの吸収が悪くなるためです。併用するときは、服用間隔を2〜3時間あける必要があります。
飲酒は控えましょう。アルコールは膵臓や肝臓の副作用をでやすくします。
【使用にあたり】
決められた時間に正確に飲んでください。規則正しい服用は、薬の血中濃度を一定に保ち、ウイルスに増殖する“すき”を与えないために重要です。飲み忘れにも十分注意しましょう。抗エイズ薬の服薬率が95%を割ると、薬の効きにくい耐性ウイルスの出現が多くなるという報告があります。
食物の影響を受けやすいので、必ず食間(空腹時)に水で服用してください。錠剤は、かみくだいて水で服用するか、水に溶かしてからよく振って飲んでください。カプセルは、かまずにそのまま服用します。
自分だけの判断で量を変えたり、飲むのをやめてはいけません。不用意な減量や中断は、薬の効き目を悪くし、治療を困難にします。
【検査】
効果判定のため、免疫細胞(CD4)の増加とウイルス量の低下を調べます。さらに、副作用をチェックするため、いろいろな検査を受けなければなりません。とくに、膵臓の検査が重要です。視力検査もおこないます。
【妊娠・授乳】
妊娠中は原則用いません。ただ、治療を優先することがあるかもしれません。また、この薬を飲むことで、赤ちゃんの感染リスクを減らせる可能性があります。
授乳は避けてください。乳汁中に薬が移行すると考えられます。また、母乳中のエイズウイルスにより赤ちゃんが感染するおそれがあります。
【食生活】
エイズウイルス(HIV)の感染力は非常に弱く、ふつうの社会的な接触であれば感染することはありません。ただし、性的接触により感染する危険性があります。この薬を飲んでいたとしても、その点は同様です。
【備考】
エイズの薬は、大きく「逆転写酵素阻害薬」と「プロテアーゼ阻害薬」の2系統に分類されます。前者は、さらに「ヌクレオシド系」と「非ヌクレオシド系」に分かれます。これら系統の異なる3種類以上の薬を組み合わせる多剤併用療法がおこなわれています。この治療法により予後もたいへん改善されました。
免疫力が低下しエイズを発症すると、別のいろいろな感染症にかかりやすくなります。カリニ原虫、サイトメガロウイルス、カンジダ・・ふつうなら感染しにくい微生物にまで侵されてしまうのです。このような2次感染症に対しては、抗菌薬、抗原虫薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬などで強力な治療をおこないます。